可能性を信じてる

「俺は、俺の可能性を信じてるんだ」
最初の15分しか字を書かない小学生でも知ったような口をきく。おそらく当人は「俺、かっこいい事言った」つもりなんだろうが、一体自分がどうなる可能性を信じているんだろう?
俺は【筆文字が綺麗に】なる可能性を信じて(正確には可能性云々はどうでもいい。単純な欲望だが)、習字教室に通っている。展覧会で勝つとか、そんなに上手くなるつもりはない。功夫を積むことで、自分の望みが叶う可能性が高くなると思っている。
彼はどうやら、自分には稽古をしなくても【書道の才能】があって【いざと言うときには覚醒】して【筆文字が綺麗に】書ける可能性を信じているようだ。
子供とはいえ、さてもさても、欲の深いことよ。