人生はリセットできないのか

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/ea/27/index.html
彼が社長を務める松村テクノロジーってのはセキュリティや偽紙幣鑑別機を作っている所らしい。常に仮想敵を持っているからなのか、どうも論理が駆逐型というか乱暴だ。そしてやや古くて非現実的。1・3ページは読む価値が多少あるが2・4ぺージは妄想垂れ流しだ。
1頁目の「死ぬなら独りで死ね」ってのは、まぁ同意。ムシャクシャだとか誰でも良かったとか、殺人犯が本当にそう言っているンなら*1独りで死ね。
ただ「ゲームは何回でもリセットできるが、人生はリセットできないのだ。人を殺してしまってから、ことの重大さに気づいても取り返しはつかない」と言う発言は的外れだ。 
誰でも良かった、人生に絶望したという犯人の言葉を「ゲーム感覚」と言うのは突飛。逆に犯人は、その絶望人生を自力でリセット出来ないからこそ、大暴れしたんではないのか。そして間違いなく、松村氏の思う「リセットできないはずの人生」には、犯人の望みどおりにピリオドが打たれる。
松村氏は、残酷なゲームを発禁にすればこの問題は解決する、と言っているが、これは論旨がずれている。ここは「人生をリセットしたくなったら、誰でも自殺できる世の中になればいい」と結論付けるのが自然では。
さて俺の知る限り、絶望しない限り、人生はリセットできる。食べ物や生活習慣の改善といった自己啓発的な物もそうだし、完全にこじれた人間関係・社会的地位だって、ケータイ破棄・サイト閉鎖・転校・転職・駆け落ち・夜逃げ…絶望しない限り(ここが重要)、それまでの他人との縁を切る事でリセットは出来るはず。だから、逆に他者の命に強烈に縁を持つことになる「殺人」では人生リセット出来ない。
松村氏は、今回の自論と反響を自説通りに「リセット出来ない物」として扱えるのだろうか。


関連話題でついでに書いとくが、「ワイドショーに出て、世間を騒がそうと思った」という動機の殺人予告犯が続々と捕まっているが、彼らの望みどおりにTV局が動いている。予告犯大勝利だ。前述の警察発表といい、日本マスコミは紋切り型(テンプレ)が大好きみたいだ。中国人の部屋と言ってもいい。これもある意味デジタル放送*2って奴だな。滑稽なことよ。

*1:本当にそう発言しているのか、それとも、警察が「はい、貴方の心象に丸を付けてね♪」って差し出したアンケート用紙にそれしか選択肢が無かったのかは判らないが、恐らく後者だろう。ムシャクシャなんて言葉を、今時の子供が普通に使うとは思えない

*2:B-CASとやらを不買することで、俺がTV持たない事をNHKに証明=受信料払わない事が出来ると思うんだけど、どう?