狭窄的視点

現在消失しているが、作者の籔内佐斗司氏が批判メールに懇切丁寧に返事をしていた。
斜め読みでの感想だが、なんというか、抗議するにも礼節と常識は大事だよ。チラシの裏に書いたような文章を公文として送るべきじゃない。
籔内氏は彫刻の業界では非常に有名な人で、わかる人はあのキャラ見ただけで薮内キャラって判る。真面目な仏像制作・修繕しながら自己のキャラクタ作って個展開くのってすごい事なんだから(正確には全て一人作業じゃなくて製作スタッフの技量もあるけど、そのスタッフを運営するのだって彼の技量だ)。
そこにキャラクタはゆるキャラじゃないといけませんとか、そもそもマスコット制作をバカにしているとか……そりゃ諸星大二郎に萌えイラストが描けないって抗議しているのと一緒だろ。視野が狭い。
安易にネット情報につられて恥を晒すのは俺にも身に覚えがあるが、相手と対峙するような場合はもう少し調べないと駄目だ。相手に失礼だ。


ところで、ネット情報によるとリボンの騎士が少女漫画家によってリメイクされるらしく、その画力と構成の不安からまたぞろいらだっている人がいるみたいだ。
これについても作家に抗議文送る人いるんだろうか……始まってない漫画を批評するなんて順番おかしくないか。仕事選べとか辞退しろとか言う人もいるけど、作家の意欲的な仕事姿勢、大いに結構と思うんだけどなあ。大体「仕事選べ」って言葉は「作者は俺のために仕事してる」みたいな視点で、少し怖い。これまでもこれからも異文化(少女漫画)を見ないなら、ソッチの文化で往年の名作がどう料理されようが気にする事ないのに。「愛の反対は無関心」とマザーテレサも仰ったんだから、もっと積極的に無関心になったほうが楽じゃね?
しかしそれだけ自分の「正義」に自信満々なクルセイダーズは、さぞ人生も楽しいだろうが、部屋一つとハムスターしかなかった世界を広げようとしてる今、俺はその世界の狭さ ―道も田畑もなくマイピラミッドだけの世界― は、あまり見習いたいとは思わない。まあブログでは低い評価付けるかもしれないけど。