ワンピースが面白くない1つの理由

長期連載漫画に大抵ついてくる「昔は面白かったんだけどね」という意見。
残念ながら俺も、現在のワンピースを他人に勧めにくい。もしも勧めるなら「1巻から読み始めて、好きなところまで読んで」と言うだろう。
(去年のナツ100で選抜した漫画はhttp://d.hatena.ne.jp/syaki/20060806#p2。短い漫画が多めなのは、他人に勧め易いからだ)
俺の中でのワンピースの面白さは、ルフィが既存の主人公から外れているところにあった。例えば「町で会った人間を助けるか放置か」の2択で、普通なら人情から助ける=さらに大騒動に巻き込まれる、というお約束を無視してあっさりと放置する。しかし後から語られるその理由には、結構納得できる。
目標にむかっての確固たるベクトル感覚…そう、ログポースを持つ、ある意味ドライなルフィを俺は好きだったのだ。
それが仲間の距離感と話の冗長化によって見え辛くなってきている。ウォーターセブン編で凄いと思えたのは、船を替える事を決定してウソップと決闘したところ。あれは意表をつかれた。ついに仲間割れキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!と喜んだ。んだが、その後が長い長い……。ルフィが普通の熱血バカ主人公の活躍してくれても、ひねくれた一読者としてはあまり嬉しくないんだよな。さらに俺がルフィよりドライ過ぎるのか「死にたい女を何で見捨てないのか」とそこばかり気になっていた。他に、なんでロビンは死にたいって叫ばなかったんだろうか?とか(ここで「殺すな莫迦」と突っ込まれても困る。そういう思考パターンもあるというだけの話)。
ウソップ復帰の時には、残念ながらルフィの代わりにゾロが締めてくれたんだが、本当はこういう所を長めにとって逡巡とか見せると楽しいのに…と思わずにいられない。美味しいところを見られるまでが伸びすぎて、普通の冒険漫画になってしまうんだよなぁ。たまに絵も荒れているし。