時をかける少女

待てんかったんや。どうしても未来が待てんかったんや!
商品取材も兼ねて岐阜まで往復400kmの遠征中。初っ端から財布を紛失したり帽子を忘れたりといつものドタバタをやらかしつつ、9時に出発1時半に到着。
15時と17時に二回見る。観客は一回目が20人、2回目は4人。ウハハ予想以上に地方上映はガラガラだ。さすがに気力体力財力が持たないので三回目は見なかったが、考えてみればレイトの三回目こそ見るべきだったか。それならもう少しゆっくりと取材しつつ来れた訳だし(午後8時回って開いている商店なんて限られてるもんなあ)。そして漫画購入。久しぶりの都会にその他絵の描き方の本とか(絵の上達に必要なのは、資金じゃなくて練習なのに!)で万札が飛んだ。
見た直後なので感想をまとめられないが、非常に面白かった。泣きはしなかったけどしみじみした。舞台は21世紀なんだけど古典の匂いが残っていて不思議だ。軽めにネタバレするが、あれだけ人生を巻き戻したけど(むしろそのせいで)真琴は100%ハッピーなトゥルーエンドにはたどり着かなかった。幸せへのフラグは自分で消してしまったから。その切なさがスパイスになってこの物語を良作に仕上げている。Time waits for no one. 歳月人を待たず。この「時」は真琴のなのか?それともほかの誰かの? しかし、原作の和子が時を「待っている」のと違い、真琴は自ら「時をかける」ことを選択した。この物語はここから始まり、だから観後感がとても爽やかだ。
しばらくは映画の余韻を引きずりそう。
たいていのブログの感想が「真琴がごろごろ転がる」って書いてあるが、本当にごろごろ転がってるよ。魔女おばさんこと原作の主人公・和子は適当なこと言ってて…いや、処世術なのか?魔女だなあ。専門の声優はあまり使っていないが、妹がプリンを謝るシーン以外では気にならなかった。むしろあの絵―宮崎駿のようなアニメ絵でも、今敏や大友克弘のようなリアル型でもない、どこか様式化されつつ生っぽい、昔の挿絵のような絵―には合っていた。
金沢で公開されたらもう一度行こう。
まだ見ていない人は、作中で和子おばさんが匂わせる原作(や大林版)をあらかじめ見直しとくと面白いかも。
参考:産経新聞 ENAK 筒井康隆氏が語るSFリメーク映画ヒットの理由


明日は見学しつつ帰宅予定。通販で安つくところを、わざわざ南下して名古屋のとらのあなもえたんCDを買う。なんて予定は……無い、つもり。