冬到来

雨はみぞれになった。ブリ起こしが鳴っている。こんな日にはお客さんは来ないので、ようやく休日になった。書類の提出やらツケ払いやら、溜まっていた作業を大体片付けた。医者に行ったら予想以上に時間がかかったので、着物の整理と掃除は半分だけ。
寒いのが苦手な俺には、これから死刑を待つ罪人のような重苦しい日が続くことになる。ストーブを久しぶりに焚いたが、不完全燃焼して目が辛くてたまらん。あぁ、｢目がからい｣ってのは富山方言か。

非常識じゃなくて、広常識

この一年、｢アニメ彫刻｣として地元の新聞やらＮＨＫやらで取り上げられている。いちおう匿名サイトとしてやってるんで、どこのどんな記事かは明言しないが、色々話しているうちに思った事。
アニメ彫刻のきっかけは？という質問が当たり前のように出されるが、俺にはルパン三世を見て声優を目指したとか、マッケンローを見てテニスを始めたとか、そんな型通りの美談は、無い。俺は単純に「木をほじって食っていけるってすげー！」と思ってここに飛び込んで、たまたま漫画好きだから漫画を彫ってみただけの事なんだ。もし俺が釣好きなら魚彫刻をやってるし、カレー好きならカレー彫刻やってる。
あー、カレー彫刻とか聞いて｢あるあ…無ぇーよwwwwwwwww」と思った常識人は一杯いるだろうなぁ。俺の常識は他人より若干ガバガバなんで、彫刻したいほどカレー好きな人は絶対どこかにいると思うけどな。

創作は熱量である

「１０月にツアーで会いに行くから、その時に手渡したい」という注文で、９月に作ったもの。
こういう熱い注文は大好きだ。
既にそこに有る物を欲しがるんじゃない。自分のリビドーを具現化して、身銭を切って、最適な方法を実行に移すのだ。
これがぬるいはずが無い。

世の中には「Ａみたいな物を作りたいが、自分には才能も技術も無いから出来ない」と明言する人が多いが、もしもネタでなく本心で言っているのだとしたら、悪いけどそれは人生無駄にしているよ、と言わざるを得ない。
物を作るなら、人に頼るか自分で作るかの２つしかない。自分は技術を身に付けず、人には何も頼まず、それでいますぐＡの模倣を作りたい？　
１００％無理だね。
何某は一つの作品Ａを一週間で作り上げる、それを才能と呼んで、省みて自分には才能が無いというのは間違っている。
｢才能｣の意味を間違っている。
何某は作品Ａを一週間で作り上げられるようになるのに、一体どれだけの人生を送ってきたのかを考えていない。その人生…修行というか、そこに千金の価値があるのに、単にいま目の前に出来た作品Ａのみを見て、自分が過去に修行しなかったことも、これから修行しないこともひっくるめて「才能が無い｣という、それはあまりにぬるい話じゃないか。
鍋物と同じように、何かを作り上げたいなら、まずは自分が一定時間燃焼しないと。成功するか失敗するかはその後の話。
まとまりの無いまま了。

081121追記：今週の絶望先生が「その悩み、もう答えは出ていますよね」ってネタで楽しかった。｢あんな動画を作りたいけど、かくかくしかじかで作れない｣とかスレや※でつぶやいてる人、完成どころか着手しましたか？　判ってるよワカッテル。それ本気じゃなくてヘタレネタですよね！　wktkするほピュアな年頃じゃないから俺は。