ぜのん様である!読了

ぜのん様である! (電撃文庫)

ぜのん様である! (電撃文庫)

http://dengekibunko.dengeki.com/webradio/index.phpで紹介されていたんで発売当日(3/10)に買っていた本だが、本日読了。
ラジオで紹介されたくらいでは本は買わんのだが、今回は
1・【コサキンコント劇場】風小説
2・キャラのモデルはうぇぶらじのパーソナリティ
の2つのキーワードで購入決定。感想を一言で言えば、ページをめくるたびに笑いすぎて泣いちゃう。
主役は3人。
一人目:苑葉征成
主人公。女の子にモテたい願望が強すぎて、言動が残念な事になってる高校生。
二人目:ゼノン=カスタトロベリー
見た目小学生の魔王。領土と臣民を得るために征成のもとへやってきた。大層ないじられ体質。
三人目:新菜月子
征成の幼馴染み(高校は別)。征成にアピールするが気づいてもらえない。すぐ脱ぐ。
スキスキ光線を出しまくりの月子と、それに全く気づかず「女の子と仲良くなりたいんです協力してください」と前のめりになる征成。ここまでは割と良くあるラノベ(月子が冒頭から「おちんちん」を連発したり、表でスカートめくり上げたりするけど)だが、ゼノン様が登場すると、なぜか二人で無茶振りを連発してゼノン様をいじり倒す。更にくすぐり倒してヒイヒイ言わせる。
ヒロインが異世界の少女ってのはラノベの定番ネタなのに、こちらの世界の主人公のほうが遥かにエキセントリック。バカすぎる。本当にコサキンコント劇場なみにシュールで笑える。
作者いわく
「魔王娘が主人公を振り回す話を書いていたはずが、なぜか魔王が振り回される話になった」
「設定を一切組まずに書き始めたらこうなった。最初は月子=魔王のつもりだったが、書いているうちに、彼女が幼馴染だと気づいた」
「最初に小説じゃなくてコント台本、エチュード(即興劇)を書く感じでスタートした」
「ほとんどを台詞のやりとりで書いていったら、編集に「せめて一ページに一行は地の文を付けてください」と言われた」
ライトノベルを書くときには「ライトノベルを書いちゃいけない」というのが自分のやり方」
との事で、とにかく破天荒と言うか珍妙なやり取りで進んでいく。
そして【うぇぶらじ@電撃文庫】パーソナリティがモデルという二次創作的な親近感。ラジオ本編でどの辺がモデルになってるか解説してるが、リスナーにとって肯かざるを得ないそのチョイス。これ、パーソナリティを使って同人ドラマCDを出して欲しい。
アニメ化するなら……別物になるか? 思いつく理由としては、ラジオコントならではのテクニック「後出しで状況説明」てのがネックか。推理小説で言う叙述トリックみたいなもんだが、たとえば最初から筋肉バスター食らっているのが見えてて話が始まるのと、話の途中で「ところであなた、いま筋肉バスター食らって丸出しですよね?」というのは笑い方が違う。状況説明から心情の吐露まで全部台詞で言う、その事自体が面白いなら、映像で説明するのは説明と面白さが減る事になる。
先週と今週、別のラジオでも【ゼノン様である!】の売り込みと解説をしてくれてるんで、当分仕事場ではエンドレスで聞く予定。
http://www.norainu-jiji.com/