アルセーヌ=ルパン

図書館で何故かゲド戦記の横に間違えて置いてあった「三十棺桶島」を読んだ。俺の読書歴ではルパンを読んだのは小学校中学年〜高学年。かなり初期の通過点だった。が、怪談とか殺人事件とかがとにかく苦手だったのでコレは読んでいなかった。中学生頃に永井豪?の絵でコミカライズされたがやっぱり読めなかった。
それで今回だが。……主人公のダメさ加減に目を瞑れば面白かった。怪しい島、怪しい伝説、敵の目的。肝心のルパン氏は最後の謎解きのみに出演だがいい所持っていった。ただ、主役の行動がネ……。俺は「知恵の足りない主人公が行き当たりばったりで行動して自分の首を絞める」というタイプの話がとことん嫌いなので。出だしから60%までは苦痛だった。
我が家に一番最初にやってきたルパン小説はポプラ社の「ルパンの大作戦」だった。表紙は青白い肌の女がナイフを構え、バックはシャトー大爆発というバイオレンスな絵柄で、キモチワルクて手にも取れなかったんだが、内容は第一次世界大戦直前の仏独国境を舞台にしたサスペンス、というか冒険物で、おかげでアルザス・ロレーヌ地方なんて言葉を子供の頃から覚えたりした。
コレ「オルヌカン城の謎」っていうルパンシリーズじゃない作品を訳者の南洋一郎がアレンジしたものらしい。知らんかった…。オマケに、同じくポプラ社の「ピラミッドの秘密―怪盗ルパン (ポプラ社文庫 17)」は完全パロディ(パスティーシュ?)だそうだ。「ソロモン王の秘宝」ぽくて好きだったんだが今では本屋で扱ってないらしい。 抜群に面白かったんだけどなあ。
ところでネットで調べてみると、ポプラ社(というか南版)のルパンシリーズはややアレンジが過ぎるが「だがそれがいい」というファンも多いらしい。南版三十棺桶島はもっと面白いんだろうか。