漫画

珍しく新刊で2冊購入。

ARIA 5 (BLADE COMICS)

ARIA 5 (BLADE COMICS)

最近気に入っているARIA。5巻を買ったのはコレ1冊だけがロゴの色が違うから…初版限定というわけでもなく、何故違うのかは不明。
収録の5編のうち2編が船での話だったのでとりあえず満足。というかARIAは接客業の話なのに客とのやりとりが無く、さらに若者の話なのに青春がない。言い換えると「イベントはあるけどフラグはない」。以前青春グラフィティ漫画について書いた直後にこの作品と出会ったが、うまく説明できずに保留していた。
この辺りをhttp://d.hatena.ne.jp/terasuy/20060430/p1で手厳しいながらも上手いこと言っている。

この作品においては作品が一つの情景であり、作品内の登場人物もそれらを惹きたてるためのオブジェに過ぎないと僕は思っています。確かに魅力的なキャラが一人一人立ってはいるものの、彼女達は作品の情景を映し出すための鏡であり、彼女達自身から癒しを得ているのではなく、癒しそのものは作品のそれ、つまり情景からのものなのです。

旅番組のようなもので、この作品は灯里たちではなくネオ・ヴェネツィアが主人公だ。だから彼女たちの群像劇はさほど必要ではなく、むしろ「見知らぬ旅先の街」で得られる癒しの力のほうが重要だ。
となると、コマ割りやカメラワークが静的なのも、灯里たちではなく街にフォーカスが当たっているからか。
もっと言えば、能動的に読む「漫画」よりも、受動的な「アニメ」として見たほうが癒し効果は高いのでは??


という訳で、ARIAは「知らない町を歩いてみたい」と思っている人にオススメする。残念ながら「青春グラフィティ」とは若干外れているが。