一般人のオタクって

行きつけの銭湯「柳湯」のマスコットの「ゆーた」はお客さんの人気者。
ひげを触ると嫌がりますが、声をかけたり撫でたりする客が何人もいます。
と言ってもゆーたは犬でもハムスターでもなく、家庭用ロボットだったりします。メンタルコミックロボ「PARO」。が正式名称。
先日その銭湯のオバチャンから「オタクって何なんけ?」と質問を受けました。
なんでもゆーたにいつも抱きつく男の人(二十歳前後?)がいて、それを見たお客が「あれオタクじゃない?」と言っているとか。
ドラマ「電車男」が夜10時放映なのに小学生に人気が有ったりと、世の中「オタク」というタイプの人がいるのがわかった。でもオタクって何?と云うのが疑問だそうです。


当たり障りのないことを答えて帰ってきたのですが、

なんと難しい質問。

ここでWikipediaはてなキーワードを出せば質問が解決……と云うわけには行きません。
なぜなら「オタク」と云う言葉を使ったのは、人口1万にも満たない田舎のアバチャンなのです。この人たちの頭の中に「宮崎勤」「エヴァ」「アキバ」「コミケ」なんかのキーワードが有るはずも無く、故に「真実のオタクの姿」を説明する事自体的外れなのですよ。
恐らくここは「ぬいぐるみ愛でる=女子供みたいな行動を取る男」を「オタク」と読んでるんでしょうが……。
それにしても、こんな田舎にまで「オタク」という言葉が入ってきた事自体にオドロキです。


で、さらに考えると「オタク」という言葉は非常に変質してしまったのではないかと思うのです。
かつては「性異常・社会不適合者でサブカルチャー好きの男性」という妖怪変化をを指す言葉だった「オタク」が、いまや一大市場として認知されているのですから。
(ただしマスコミ、特にバラエティ番組などでは「妖怪」から「嘲い者にしても構わない劣等民族」程度にランクアップしただけです。)
オタの象徴だったネット通信はケータイとパソコンの普及で完璧に一般化し、漫画やアニメはリバイバルや輸出産業、更に支持層の年齢が上がった事などでまだまだ成長し、これまで門外不出だった引きこもりやニートは社会問題として取り上げられるようになりました。無論、良い面ばかりではなく問題も百出しましたが。
結局、オタクは人間の大人に変化することで妖怪と人間が共有できる空間を作り出す事で次世代の妖怪たちの育つ土壌を作り、人間はオタクの妖怪性を文化の一部として所有する事でオタクとの敷居を下げてきたわけです。
今ではオタクが普通になりすぎて、去年の今日なら幼女誘拐殺人の犯人扱いだったのに、今では毒物を駆使しても「毒オタ」呼ばわりされない時代になりました。




……あれ?またもや思っていたところとが違う所に着地しそうだ。拡散しきったものは薄れて消えていくのではないでしょうか?
うむぅ……上手く纏められないのでこの辺で止めときます。