随分長い間探していた本があります。
俺が中学生のころ――昭和は遠くなりにけり――学校の生徒相談室から借用してきた1冊の本。
真四角の本の表紙にはあまり明るさを感じない海と空、そこに浮かぶ見開かれた両目。
内容は怪奇短編集で、おじさんの部屋の床下から伸びた黒髪がTVに絡みついたり、予知能力を持った少年がジェットコースターから突き落とされるといったものでした。
卒業時に先生から「良かったらあげるよ」と言われてもあえて返却したのは、とにかく表紙のインパクトと救われない話ばかりなのが気味悪かったからでした。
しかし。
あれだけインパクトのある話はなかなか無い物。何かにつけて思い出しては、出版社に電話したりネットで探したのですが、題名をうろ覚えだった事もあり全く見つかりませんでした。
母校にも行ったのですが、最近の生徒相談室は大きく様変わりして、当時の本など残っていなかったのです。


先日ふと思いついて、2ちゃんねるの「八房龍之介スレ」に書き込んでみました(ここの住人はその手の雑学に強いのです)。
恐るべき事に、24時間以内に返答が。
http://www.02.246.ne.jp/~pooh/kaiki/kaiki_syoei_nihon.htm
「薔薇の半神 世界でいちばん奇妙な話」竹内健
ああ、これだ。
これで長年のもやもやから解消される。


シリーズまとめて国会図書館に注文しました。